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今を生きるということ

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Carpe diem, quam minimum credula postero.

これはローマの詩人 ホラティウスによる語句で、「明日に頼ることなく、その日の花を摘め」と訳せるようです。簡単にいえば「今を生きる」という意味になりますが、自分は「今を生きれている」だろうか、と考えることがあります。

私は弟を大腸癌で亡くしました。簡単な手術で治るといわれていたのですが、経過は悪くなる一方で、放射線治療後の2回目の手術では、癌が取り切れずに、余命が宣告されました。医師と家族の話し合いの結果、手術は成功したということにして、本人に死期を伝えることはしませんでした。入院から約1年半の闘病を経て、弟は静かに去りました。

Chi va piano va sano e va lontano.

ゆっくり歩く人は、遠くまで行ける。古いイタリアのことわざで、穏やかだった彼を思い出します。もっと遠くまで行けるはずだったのに。。。

私は今でも真実を伝えることが出来ず、ほとんど何も出来なかった弟に対する罪の意識や後悔の念を感じています。

ただし時間を戻せたとしても、出来ることは変わらなかったとも思うのです。この経験を振り返ってみると、有限な時間の中でやれることを大切にする、すなわち「今を生きる」ことだけが、自分に許された行為ではないかと思うようになりました。もし同じような境遇の方がいたら「今を生きて欲しい」ということを伝えたいです。

弟のことを書くのは、治療中の方を不安にさせてしまうのではないか、といった心配もありましたが、その懸念を乗り越えて「今を生きる」という気持ちを記すことにしました。この思いが届きますように。